ソニー、PS5に68.5億ドルの関税圧力で値上げ検討

ソニーは、関税が自社の事業に与える大きな財務的影響に対処するために、価格引き上げを検討しています。

この日本のハードウェア・ソフトウェア企業は、2025年3月期の年度決算業績を開示しました。その後に行われた投資家向け質疑応答で、経営陣はトランプ政権時代の関税の影響について詳しく説明しました。

林タオ最高財務責任者(CFO)は、発表された関税率が変わらないと仮定した場合、関税によってソニーに約1000億円（約6億8500万米ドル）のコストがかかると見込んでいると述べました。ソニーは、PlayStation 5のようなゲーム機の製造を含む広範なハードウェア製造に深く関与しているため、影響を大きく受けやすい状況にあります。

タオ氏は、ソニーがハードウェア価格の引き上げを通じて、これらの増加したコストの一部を消費者に転嫁する可能性を評価していることを示唆し、PS5に影響を与える可能性があるとしました。

「関税に関する1000億円の影響評価は、単純な計算によるものではありません。我々は現在の情報と市場動向を分析しており、それに応じて価格設定や出荷割り当てを調整する可能性があります」と、タオ氏は投資家向けウェブキャストで説明しました。

「我々はこの1000億円の影響に対処するため、さまざまな戦略を実行に移しています。」

ソニーの十時裕樹CEOは、プレイステーション事業に特に言及し、関税リスクを軽減するために、米国内でゲーム機の製造を行うことを検討していると述べました。

「このハードウェアは確かに現地生産が可能です」と十時氏は語りました。「それは賢明なアプローチであると信じています。PS5は現在、複数の地域で製造されています。米国で生産を開始するかどうかは、今後の検討課題です。我々の状況はまだ切迫したものではありません。」

ソニーの十時裕樹氏、関税問題によりPS5の米国生産を検討。「今後、検討する必要がある」 pic.twitter.com/c1cEQIwXA4

— Destin (@DestinLegarie) 2025年5月14日

アナリストらはIGNに対し、ソニーが任天堂やマイクロソフトの前例に倣い、ゲームソフトの価格を80米ドルに引き上げる可能性があると見込んでいると伝えています。PS5本体シリーズも値上げされるのでしょうか？特にPS5 Proモデルの価格引き上げを期待する声が多く、一部の消費者は正式発表前に先んじて本体を購入しています。

Niko Partnersのリサーチ&インサイトディレクター、ダニエル・アーメド氏はIGNに対し、ソニーが最近いくつかの市場でゲーム機の価格を引き上げたものの、米国が次の対象となる可能性があると指摘しました。

「ソニーはすでに米国外ではゲーム機の複数回の値上げを実施しています」と彼は述べました。「米国は最大のゲーム機市場であることから、ソニーとマイクロソフトの双方には、米国での値上げに自然と躊躇があります。しかし、ソニーが続いて米国でのPS5の価格調整を行うとしても驚きません。」

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Omdiaのシニアアナリスト、ジェームズ・マクワーター氏は、さらなる背景を補足しました。「PS5ハードウェアは主に中国で製造されているため、ソニーのサプライチェーンは米国の関税の影響を受けやすい状況にあります。しかし、ゲーム機市場では通常、年間売上の最大半数が第4四半期に集中します。この時期はマイクロソフトとソニーに緩衝をもたらし、既存の在庫に依存することを可能にしました。2019年には、ゲーム機は中国の関税対象から免除されましたが、この免除が承認されたのは8月になってからでした。」

「マイクロソフトが今週価格調整を開始したことで、ソニーがPS5で続ける道が開かれました。これは困難な決断となるでしょう。特に、世界最大のゲーム機市場である米国では、これまで2023年末のPS5デジタルエディションの50米ドル値上げを除き、このような値上げから守られてきたからです。」